エネルギー管理士 合格者数17名の秘密に迫る!
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ここ数年、エネルギー管理士試験で2桁の合格者を出し続け、今年も過去最高の17名の在校生が試験に合格した名古屋工学院専門学校。今回、学校を訪問して、そのスゴさの秘密を探ってみました。
最初に、学科長の石原先生にお話をお聞きしました。
― こちらで先生をされて、どれくらいですか。
(石原先生) 26才から28年になります。担任は24年やりました。
― まずは、学校の概要を教えていただけますか。
(石原先生) 電験三種やエネルギー管理士を受験する電気工学科は2年制で 1学年あたりが約100名。学年あたり2クラスです。
しかし、2年生で卒業するのは約1割。残りの9割は研究科(1年制)に進学します。
― どうして9割が3年生に進学を?
(石原先生) 電験三種の9月に試験、10月に合格発表というスケジュールに関係があります。
就職が決まるのはGW明けから5月末くらいまで。2年生で電験三種に受かっても、その資格を武器に就活できるのは3年生になってからです。
もし、1年生で電験三種に合格した場合には、エネルギー管理士などに合格してさらに付加価値をつけた上で就活して欲しいという思いもあります。
― エネルギー管理士の合格者数がすごいですね。
(石原先生) 今年度の在校生は17名が合格しました。
しかし、エネルギー管理士の合格者は30名以上にしたいですね。
どうしても、就職が決まると学生の勉強へのモチベーションが落ちてしまうのと、エネルギー管理士受験に向けた学校側の仕組みが整っていないところがあるので、その両方を改善すればまだまだ合格者は増やせると思います。
(ちなみに、エネルギー管理士の合格者は、2年生と3年生)
― それでも17名はすごいと思います。どうして、そんなに合格できるのでしょう?
(石原先生) すごく勉強させるからです。笑
授業は15時までですが、18時まで担任がついて補習します。その後、先生が離れても、学生達は20時まで自習しています。
― こちらの学生さんは、どうしてそんなに勉強するのでしょうか?
(石原先生) マジメが大多数なのです。多数決の論理ですね。クラスの目が厳しい。目標に向かっていないものは仲間ではないという目で見られます。
実は、そうやってお互いが刺激をしあう環境を作るのが私達の大事な仕事だと思っています。私は、「学生に好かれる」のではなく、「学生たちをゴールに連れて行ける人」が良い先生だと思っています。
次に、2年生の授業を参観しました。
電気工学科2年生。小林先生が担任のクラスです。
電験が終わったところなので、この日は「第一種工事士」の筆記対策の演習でした。
皆さん、マジメに演習に取り組んでいました。
すると、一緒に授業風景を眺めていた石原先生が教えてくれました。
「あのように学生同士で教えあうのが、うちでよく見る風景なのです」
授業の最後に、担任の小林先生にお願いをして、学生の皆さんに質問をしていただきました。
(小林先生) 名古屋工学院専門学校の良いところは?
(学生の皆さん)
だそうです。
授業が終わってから、エネルギー管理士試験に合格した二人(小林先生のクラス)に話を聞きました。
<電気工学科2年生>
足助(あすけ)洋明さん
長野県出身 1998年生まれ(20才)
<電気工学科2年生>
弓矢淳広さん
三重県在住 1998年生まれ(20才)
― お二人は、どうして、名古屋工学院専門学校を選んだのですか?
(足助さん) ネットで検索して、東海地区での就職が良いと知ったので。
(弓矢さん) 僕もネットで検索して、有名企業の求人がたくさんあったので。
― 入学してみて、どうでしたか?
(足助さん) 最初は知らないことだらけでしたが、7月くらいには周りの人に勉強を教えてもらうことが気にならなくなりました。人に教えたり、人から教えられて。そして、どんどん、より多くの人と「やりとり」するように。それで、わからないことがわかるようになりました。この学校は、そういう環境なのです。
― 弓矢さんは?
(弓矢さん) 周りより劣っていて、不安がありました。なので、必死で勉強しました。
― どれくらい勉強を?
(弓矢さん) 朝は6時に起きて、7時に家を出て、三重県から学校まで通学時間が片道1時間ちょっと。通学時間は参考書(スマホ)を読んでいます。
学校に着いて1時間から1時間半くらい自習します。9時半から15時は学校の授業で、授業のあと19時半まで学校に残って自習します。
21時半に自宅に帰って、ご飯とお風呂。テレビは見ないです。家では「まとめ」をします。
― どうして、エネルギー管理士を受けようと?
(足助さん) 資格を取れば就職が良いから、やるしかないです。
電験三種だけでは周りの人と変わらないので、就職のために「より多く」「もっと」資格が欲しいという思いです。
振り返ってみると、この学校にいるから資格が取れたのだと感謝しています。普通に生きていたら取れていないと思います。笑
― 逆に、どうして、エネルギー管理士を受けない人がいるのでしょう?
(弓矢さん) 自信がないからだと思います。単に問題を見たことがないからかも。
僕の感想としては、電験三種は問題をひねってきますが、エネルギー管理士は素直な問題が多いので、結構やりやすかったです。もちろん難しいところもありますが、過去問もあるし、ちゃんと勉強すればいけるな、という感じです。
― ところで、どこに就職したいですか?
(足助さん) 電力会社です。発電部門に行きたいです。理由は、1年生のときに中部電力の川越火力発電所(三重県川越町)を見学して、発電所のすごさというか大切さを実感したからです。
(弓矢さん) 僕も、電力会社です。電気のことを学んできたので、電気と言えば電力会社だと思って。
― 最後に、これからこの学校に入学するかどうかで迷っている後輩達にメッセージを。
(足助さん) 大学受験に失敗した人は、リスタートするなら、ここが良いと思います。実力を手に入れられるので。やる気のある人は来れば良いし、入ってからやる気が出るというのもあります。
(弓矢さん) やっぱり、やる気のある人に来て欲しいですね。勉強したら好きなところ(就職先)に行けます。
自分も全く電気の知識がなかったし、数学もできなかったけれど、資格を取れるまでになりました。
今回の取材の最後に、電気工学科2年生(2クラスのうちの1クラス)を担任する小林先生にお話をお聞きしました。
テクノロジー学部 電気電子学科 主任
小林 真治 先生
1973年生まれ(45才) 三重県 四日市市在住
名古屋工学院専門学校を卒業後、同校で22才から教師を務めて23年目。
― 小林先生から見て、名古屋工学院専門学校はどんなところですか?
(小林先生) 高校を卒業してすぐに入学してくる学生が8割。残りの2割は既卒生です。
大学受験に失敗しても、「人生、やり直せるよ」「ここに来れば大丈夫」と言ってあげられる場所だと思います。
― 学生に対する教師としての思いは?
(小林先生) 「自信を持って社会に送り出してやろう」「夢を叶えてあげよう」という思いです。
― 学生への指導で心がけていることは?
(小林先生) どうせ、わからない者同士なのだから、お互いにわからないことを聞くように指導しています。
どうせなら、それを「趣味にしろ」と。如何に仲良くできるグループを作るか、輪になってもらうか。それに注力しています。
「学生56人」 対 「私1人」。私だけでは、どうしようもないわけですから。
それと、こっちが楽しくないと、向こう(学生たち)も楽しくないに決まっているので、「今日もやるぞ!」と自分の気持ちを高めて、学生と接しています。また、人を見て、学生それぞれにあった指導をするように心がけています。
― 教師として、うれしいことは?
(小林先生) 何も知らなかった子が資格を取って自信がついていく様子を見ることですね。
― 逆に、辛いことは?
(小林先生) 指導しても学生が試験に合格できなかったときです。学生が努力している姿を見ているだけに、「もっと私に出来ることはなかったのかなあ」と思ってしまいます。
しかし、落ち込んでいても仕方がないので、「それを乗り越えていこう」という気持ちで、次年度にどうすれば良いかを考えます。同じことをやっていても結果は同じなので違うアプローチを。
― エネルギー管理士の合格者が多いですが?
(小林先生) 電験三種を取って「より上を目指したい」「他の人より上を」という子が増えているようです。
これまでは、3年生で受かることが多かったのですが、今年は2年生で9人が合格しました。私のクラスの学生56人のうち、16人が受験して9人が合格したんです。
― 最後に、学生たちへのメッセージを。
(小林先生) 夢や目標を絶対にあきらめるな。あきらめたら、それで終わる。資格を取りたい思いを持ち続けろ。それが、学生たちへのメッセージです。
今回、知りたかったこと。それは、名古屋工学院専門学校のエネルギー管理士試験の合格者数が多い理由でした。
その答えは・・・。先生の熱い気持ちとリーダーシップ。そこから生まれる「学生同士で教えあう」環境。そして、学生たちを勉強に向かわせる動機付けの上手さ。それを素直に受け入れ、マジメに勉強に取り組む学生たち。その一連の組織文化が、その答えのようです。それは、名古屋工学院専門学校のDNAと言っても良いでしょう。
それを表すものとして印象に残ったのは、こちらの3人の言葉でした。
石原先生: 昔は卒業コンパで学生50人と一緒に男泣きしました。
小林先生: 自分もこの学校の卒業生。石原先生が担任でした。本当に良くしてもらいました。
小林先生のクラスの学生さん: 将来、この学校で働いて、学生たちの悩み相談に応えたいです。
ほんの数時間の滞在でしたが 「本当に良い学校だなあ」 と感じさせられる学校訪問となりました。
皆さん、本当にありがとうございました。
地下鉄 伝馬町駅のある交差点からの風景。
左手に、1号館。右手奥に、10号館が見えます。
1号館と10号館の東側には、名鉄が走っています。結構な近さで、電車を眺めることができます。
ちなみに、写真の奥(線路の向こう側)に写っているのは、9号館。
3号館は、1号館の北西にあります。
今回、こちらの3号館を訪問して、電気工学科の取材をさせていただきました。
3号館の東側には、「電波学園」の文字看板が。
3号館の向こう側(北側)には、アートスタジオが見えます。
このように、このあたりには、同校の校舎がたくさん建っています。
<2018年9月28日掲載>